【完】終わらないラブストーリー
「…僕も探してあげる」
「ほんとう…?おにいちゃ…っひっく」
「うん」
僕は公園の隅から隅までくまなく探した。
どうしてもほっておけなかった。
しばらくして…
「おにいちゃん!!あそこ…あそこにおちちゃってて…とれなくなってた」
その女の子は
公園の横の小さな川を指さしていた。
「待ってて」
僕は必死でまだまだ短い腕を人形に伸ばした。
「っく…」
「おにいちゃん…」
あと少しなのに
どうして届かないんだ…!
僕に助けてあげることはできないの…?
「…よし」
僕はぬれることを覚悟して、靴と靴下を脱ぎ川に入った。
小さな川だとは言っても僕の腰くらいまで水はあった。
ただ緩やかな流れだったおかげで、岩と岩の間に挟まっていたウサギの人形を拾い上げることができた。
「とれたよ!!」
僕は笑顔で女の子のところに戻る。
「わぁ!!おにいちゃんありがとう!!」
「ううん。もう落とさないようにね?」
「おにいちゃんすっごくやさしいんだね!」
「そんなことないよ…」
「こんどいっしょにあそんでくれる?」