【完】終わらないラブストーリー
突然遮られたあたしの告白。
「ごめん。聞いてくれる?」
突然のことにびっくりしたけど、藤井君の言葉を聞いてうなずいた。
「…藤本はさ、俺の初恋の人なんだよ」
藤井君はそう言って、昔の話をしてくれた。
「俺と藤本が初めて会ったのは小学校の頃。幼馴染みたいなもんかな。クラスも毎回同じだったし…。席も絶対に近かったからいつも俺から話しかけてた」
「そうなんだ」
「フジ×フジコンビなんて言われてさ。俺結構嬉しかったんだよね」
茉莉亜との話をする藤井君の顔を見てられなくて、あたしは下を見た。
「でも、ある時から藤本はいじめに近いことされるようになってった。理由はよく分かんないけど、からかいやすかったから徐々にって感じ?」
「…」
「見た目も今みたい…じゃなくて、簡単に言うと地味だったっていうか」
「茉莉亜が?」
あたしは思わず顔を上げた。
「うん。でも、俺にはあの頃から可愛かったよ」
これ以上藤井君の話なんて聞きたくなかった。
あたしの心が悲鳴をあげてる。
でも、逃げ出すことは許されなかった。