【完】終わらないラブストーリー
「藤本、お前何にする?」
祐樹は振り向いて私にそう問いかけた。
ズキンと胸が痛む。
…普通にしなきゃ普通に。
「えーっと…まだ、決めてないかな」
「ふぅ~ん。俺コスプレ喫茶とかいいんじゃないかなって思うんだけど…どう?」
「どうって…うーん。私コスプレ恥ずかしいし」
「いいじゃん?藤本のコスプレ姿見てみたい笑」
「私だけじゃなくて祐樹もコスプレすることになるけどね」
「…あ」
祐樹はしまったという顔をした後、またすぐ考え込んだ。
私今普通に喋れたよね…?
「あと1分で決めろよー」
そんなこと考えてる暇ないじゃん。
ど、どうしよう…。
「茉莉亜ー!」
少し離れた席から美紀が私を呼んだ。
私は席を立ち、美紀のところに向かう。
「何にするか決めた?あたし決めたよ♪」
「私はまだ決めてない…。何にしたの?」
「演劇!!!」
美紀の胸を張って言う姿。
あっそっか美紀演劇部だもんね。