【完】終わらないラブストーリー
「じゃあ主役のジュリエットをやる茉莉亜から一言!」
美紀無茶ぶりしすぎでしょ。
演劇に燃えてるのはいいんだけどさ…。
「…私演技ぜんぜんないと思いますけどお願いします」
「大丈夫だよ!茉莉亜なら!」
どこからそんな自信がでてくるのか不思議。
…皆に迷惑もかけたくないし、頑張ろう。
あとはロミオ役さえ決まれば楽勝って感じかな?
…でも誰もやりたがらないだろうな。
人前に立つし、男子演劇やりたいって人いなかったし。
「あの…僕ロミオやってもいいでしょうか…」
誰も手をあげようとしない中、
ロミオ役をやりたいと立候補した人がいた。
「僕…でもいいなら」
それはクラスの中でも目立たない子。
佐藤竜也-サトウリュウヤ-
このクラスになって初めて声を聞いたかもしれない。
美紀も少し驚いている様子だった。
「あ…えっと…了解!じゃあロミオが佐藤君で、ジュリエットが茉莉亜で決定ね!あとは…」
ロミオとジュリエットが決まると
そのあとの配役や大道具、照明や音響などもすべて簡単に決まった。