【完】終わらないラブストーリー





ペンキを見つけた私たちは、
一言も喋ることなく教室に戻った。



祐樹はどうしてあの時岸谷先生を遠ざけるように行動してくれたの?

分からないよ…。



「藤本、そっちムラがあるからなくしてくれる?」


「分かった」


淡々とした作業が続く。

さっきのことも何も聞けないままだった。



「藤本さ、もうちょっと自信もてよ」


急に言われた言葉。

私はペンキを塗る手を止めた。



「お前は可愛い。あんな女より何倍もさ。だから、自信もて」



祐樹は変わらずペンキを塗っている。



「祐樹…」


「俺はお前が笑顔でいてくれる方が嬉しいから、そんな顔したまま俺の近くにいるの禁止な」



私の顔を見て笑ってくれた祐樹。


祐樹が私のことを好きだって美紀に聞いたときから



『もう祐樹とは昔みたいじゃない』って勝手に思い込んでいたのは私。



…祐樹はちゃんと昔から変わらないのに。


「うん…!!!」



祐樹のおかげで
私は自信をもてた気がするよ。


…まだまだ足りないけど、

でも



もう大丈夫。
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