【完】終わらないラブストーリー
-本番前日-
『ロミオ、ロミオ、あなたはどうしてロミオなの。さっき私に語りかけた優しい言葉、あの愛の台詞が本当なら、名前はロミオでもいい、せめてモンタギューという肩書きを捨てて』
美紀がジュリエットのセリフを言っていた姿を見たのは三週間前だった。
私がまだ先生とすれ違いを起こしていなかった時。
服のことで美紀に聞きたいことがあって
学校中を走り回り、美紀を探していた時のこと。
もしかしたら体育館にいるかもしれないと思い、私は体育館まで走った。
思った通り、美紀はステージの上に立っていた。
そこで見たのはジュリエットを演じている美紀。
台本ももたずに、セリフもほぼ完ぺき。
私なんかがジュリエットをやるべきではないと思わされるほどだった。
表舞台には立ちたくない。
美紀はそんなことを言っていたけど、実際は違った。
誰よりも演技をしたくて、
ジュリエットだけじゃなく他すべての役のセリフを覚えていたこと。
すごい…。
この感情しか最初はなかった。
だから私はこの計画を立てたんだ。
先生にも手伝ってもらう計画。
「先生!計画通り…お願いしますね」
「任せとけ」
私と先生はうなずいた。