【完】終わらないラブストーリー
「ただ今から、1-Aによります劇。ロミオとジュリエットを開演いたします」
始まりの合図。
運命の時間。
…あたしは必ずこの劇を成功させてみせる。
そして、この気持ちを佐藤君に伝えよう。
あたしは全ての気持ちをジュリエットのセリフに乗せた。
『どうしてここへ、そして何のためにいらしたの?塀は高くて、登るのは大変だし、それにあなたという人の身分柄を考えれば、もし家の者にでも見つかれば、死も同然のこの場所へ』
『こんな塀くらい、かるい恋の翼で飛び越えました。石垣などで、どうして恋を締しめだすことができましょう』