【完】終わらないラブストーリー
「茉莉亜」
個室の扉がまた開き、そこにいたのは私の家族だった。
「…」
思わずうつむく。
今私に声をかけたのはお父さん。
「無事でよかった…なぁ、母さん」
「茉莉亜、茉莉亜っ」
「俺らに心配かけんなよ。…手のかかる妹だな」
その場に泣き崩れるお母さん。
それを支えるお父さんとお兄ちゃん。
そして隣には先生。
「…ごめんなさい」
先生はにっこりと笑って私の背中を撫でてくれた。
皆の優しさに、私はまた涙を流した。
…死んでもいい。
なんて馬鹿なことを考えたんだろう。
私がいなくなったら、きっとこの人たちを悲しませてしまう。
一瞬でもそんなことを考えた私は本当に馬鹿。