【完】終わらないラブストーリー
「うん」
「でも、実際に会ってみて分かったよ。あの人はとてもいい人だ」
「…うん」
「そんな人と茉莉亜が出会えて、本当に嬉しく思ったんだ」
お父さんは先生に思ったことを私にたくさん聞かせてくれた。
「清川先生がそう思わせてくれたのは他でもない。あの日だ」
「あの日って…」
「茉莉亜が家を飛び出した日のことだ。父さんはまだ家に帰ってきてなくて…。みのりに話を聞いたときはびっくりしたよ。すぐに探し始めた」
「ごめんなさい」
「はっはっは。謝るなよ。…その時はあんな先生なんかと付き合っているなんてありえない。絶対に許せないって思っていたんだ」
やっぱり…。
お父さんは先生との関係に反対だったんだ。
でもどうして今はこんなにも…。
「みのりが清川先生を呼ぶって言った時、少し気が狂いそうだった。なぜそんな奴の力を借りるのかと。でも…呼んで正解だった。あの人は誰よりも茉莉亜のことを想っていて、誰よりも茉莉亜の名前を叫び続けて…。そしてお前を見つけてくれたんだ」
お父さんはあの日の話をしてくれた。
…そして私は信じたくないことを聞く。