【完】終わらないラブストーリー
旭side




「茉莉亜がいなくなった!?」



妻のみのりからそんな話を聞いたのは電話先だった。

俺はすぐに仕事を切り上げ、家に帰った。



「おい!!どういうことなんだ!!茉莉亜は一体…!!」


「ごめんなさい…私がいけないのよ…」



どうして茉莉亜が出ていってしまったのか。

俺は事細かく聞いた。


なんでも茉莉亜はあの担任と付き合っているらしい。


まずそこで俺は発狂しそうになった。
いや、気絶しかけたと言っても過言ではない。


大事な娘があんな奴に奪われてしまったと思ったから。



「…今はこんな季節だ。もしも雪が降ってきたりしたらどうするんだ!茉莉亜は制服に何も羽織っていかずに出ていったんだろう!?」


「…本当にごめんなさい」


みのりのせいではない。
…これは誰のせいでもないはずなのに、俺は妻を責めた。




「孝弘に電話をかけろ。今すぐ帰ってこいと」


「…分かったわ」



みのりは茉莉亜の兄、孝弘に電話をかけた。

孝弘もすぐに帰ってきた。



「茉莉亜がいなくなったってどういうことだよ!」


「…説明してる暇はない。とにかく探すぞ」


「探すったってどこを!?」


「暗くなる前に!!とりあえず探すしかないだろう!?」


「父さん落ち着けよ!!」


「落ち着けるか!!!!」



俺はいてもたってもいられず、息子の孝弘にまで声を荒げていた。
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