【完】終わらないラブストーリー
「…あなた。清川先生にこの現状を伝えましょう」
「何言ってるんだお前は。正気か?」
「正気よ。それに…今のあなたでは茉莉亜を探し出せたとしても、手を出しかねない」
「お、俺が茉莉亜に手を上げるわけが・・・!」
「分からないでしょう?頭の中は怒りでいっぱい。茉莉亜にもその気持ちを募らせてしまうはずだわ」
みのりは俺の手をそっと握り、うなずいた。
俺は少し落ち着いた気がした。
みのりは少し震える手で茉莉亜が置いていったスマフォを手に取った。
そして、例の清川先生に電話をかける。
「もしもし…はい。いつもお世話になっております。はい…。あのですね…」
みのりが清川先生に話を説明している間に、俺はあっけにとられている孝弘に今の現状を大まかに伝えた。
「…茉莉亜」
孝弘は少し辛そうな表情だった。
歳も近いから気持ちが分かるのだろう。
…だけど俺には分からない。
どうして先生なんかと恋をしたんだ。
もっと普通な恋愛をすればよかったのに。
俺だって、責めたりもしない。
ここまで気が狂いそうな気持ちにもならなかった。
少しして、玄関のチャイムが鳴った。
俺達は玄関まで行き、扉を開けた。
そこには、
やはり金髪でピアス…。先生としてはあり得ない姿の男が立っていた。