【完】終わらないラブストーリー
「…っ」
俺は我慢できなかった。
こいつのせいで茉莉亜は今どういう状況に陥っているのかと思うと。
思いっきり強い力で胸倉をつかんだ。
「…お前は娘に何を吹き込んだんだ」
目の前にいる金髪の男は動じなかった。
むしろ俺の目をまっすぐ見つめてきた。
何かを決意した目。
俺はとっさにそんな風に感じた。
だから胸倉をつかんでいた手を離してやった。
そして、
その男は俺に深く頭を下げた。
「すいませんでした」
チャラチャラしたやつらは絶対に悪いことをしても謝ろうとしない。
むしろ反撃してくる。
…でもこいつは違った。
「…本当にすいませんでした。俺のせいです。必ず、必ず大事な貴方の娘さんを見つけだしてみせます」
俺は開いた口がふさがらなかった。
その瞬間、
この人は他の奴らとは何かが違うと思った。
でも、この時はまだ気付かなかった。