【完】終わらないラブストーリー
茉莉亜を病院に運んだ後、清川先生が俺達に話があると言ってきた。
病院の待合室のような場所で清川先生は再び俺達に深く頭を下げた。
「本当に申し訳ありませんでした」
「頭を上げてくれ、清川先生」
俺が先生の名を呼ぶと、そばにいたみのりや孝弘が驚いた顔でこっちを見た。
「どれだけ謝っても、謝り足りないです。俺が娘さんと付き合ったせいで、学校でも辛い思いをさせてしまった。挙句の果てには今日の出来事です。…俺のせいです」
俺がもう一度声をかけようとした時、
清川先生は頭を上げてこう言った。
「俺はまりあちゃんが幸せに笑っていてくれればそれでいいんです。ずっと昔から彼女の笑顔を見ることだけを考えて生きてきました。だけど、このままだと彼女の笑顔を守りきれないかもしれない」
「…」
「でも、もう安心してください。俺は、謹慎処分が明けたと同時にアメリカに行きます」
「何を言っているんだ!清川先生!」
「これしか方法はありません。まりあちゃんの笑顔を守るには…これしか。決してまりあちゃんにはこのことを話さないでください」
そして清川先生は再び頭を深く下げた後、走るようにして茉莉亜の病室に入って行った。