【完】終わらないラブストーリー
「どうしよう…」
このまま電車に乗らないわけにもいかないし。
でも、足が動かない。
「まりあちゃんおはよう!」
突然後ろから声がしたかと思うと
私の肩に誰かの手が置かれた。
「あ…先生」
「どうしたのこんなとこで立ち止まって。次の電車もうすぐ出るよ?」
「いや、その、えっと」
「あー。はいはいはいはいそういうことね」
先生は分かってくれたようで、
急に真剣な顔になった。
何かを考えている感じにも見える。
でも先生はすぐに思いついたように私の手をとって
「心配すんな!」
その一言だけ。
あとはずんずんと駅の中へ…。
「えっ?えっ???」
私は先生が何を考えているか分からないまま
一緒に駅に入ることになった。
「乗るぞ」
昨日と同じ満員電車。
…乗りたくない。
でも先生にがっちり手を掴まれていて逃げられない。