【完】終わらないラブストーリー
10分くらい待って先生が来た。
「ごめんごめん。今他の先生に話しかけられててさー。寒かったよな?」
「大丈夫です」
「春っつってもまだ寒いし。大丈夫なわけないだろー?ほら、手も冷たい」
先生の大きな手が私の両手を包んだ。
「うっわーまりあちゃんの手小さいな」
どうしたらいいんだろう。
私男の人に手とか握られたことなかったし…。
なんか先生の顔まともに見れないや。
「んじゃあ行くか!」
「あ、はい!」
私は先生と他愛もない話をしながら一緒に帰った。
電車に乗った時気づいたら先生は私をかばう体制になっていた。
もしかして先生は私が朝電車のこと怖がってたから
帰りも一緒に帰ってくれてるのかな?
…急いで私のところに走ってきてくれたのも
私のことを心配して?
痴漢にあったところをたまたま見たからだよね。
担任として助けなきゃって気持ちがあるからに決まってる。
私はただただ感謝するばかりだった。