【完】終わらないラブストーリー
桜も散り始める頃───。
あれから毎日先生は私と登下校をしてくれた。
たまたま先生と学校に行く時間が一緒だからなのかもしれないけど、私にとってはすごくありがたいことだった。
痴漢にあってから1か月くらいたったはずなのに
私は未だ電車に乗ることが怖いと感じてる。
でも先生が一緒にいてくれるおかげで安心して乗ることができている。
そんなある日の帰り道。
「まりあちゃん」
「なんですか?」
「メアドとか聞いちゃっていい?」
「メアド…ですか?」
「そそ!やっぱ生徒のもらっちゃ駄目なのかな」
「分かりませんけど…。私は別に交換してもいいです」
「マジで!?さっすがまりあちゃん!じゃあ赤外線でパパっとやっちゃおう」
先生はスーツのポケットからスマートフォンを取り出した。
私も自分のスマートフォンを取り出し
お互いの連絡先を交換した。
「このことは内緒な?」
ニヒヒっと笑う先生。
私もにこっと笑い「はい」と答えた。