【完】終わらないラブストーリー






同じ道を繰り返して歩いていると
1か月前は見えなかったものが見えてくる。



学校の近くに公園があったり
ガソリンスタンドだってある。
小学校も近くにあってびっくりした。


自分の家の周りは小さいころから知っているから今さらだけど
駅から高校までの道には新たな発見がたくさんあった。




私と先生がいつものように公園に差しかかろうとした時
たまたまクラスメイトがそこにたむろっていた。





「あ!キヨじゃん!」


「キヨっちー!!!」


「あれ?藤本さんも!」


「お前しらねぇのかよ。キヨと藤本さん一緒に登下校してんだぜ」


「ええええ!?何!?どういう関係!?」




私は何も言えずただ先生の隣にいるだけだった。


「どういう関係も何もまりあちゃんは俺のお気に入りなだけだけど?」



先生はなんともない顔で平然と言ってのけた。


「キヨっちひいき??」


「だーかーら!!!俺はひいきとかそういう卑怯なことしねぇから!」


「でもキヨっちと帰れるってことがずるいー!あたしだって一緒に帰りたい!」



クラスメイトの女の子が先生の腕に絡みついた。


「おら、離せ!」


「やーだーっ」



先生は懸命にその子の腕を離そうとするんだけど
やっぱり女の子には本気になれないみたい。



私は黙ってそれを見ていた。


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