【完】終わらないラブストーリー
「ういっすー。皆席につけよ」
美紀も私の席に近かったらまだ話せたのに。
席を立っていた他の子たちも急いで自分の席についた。
「教科書15ページ開いて、皆起立!」
先生の授業は簡単に言うと楽しい。
だから私は好き。
堅苦しい授業だけじゃなくて
先生の日常であった面白い出来事を英語で話してくれたり
好きな洋画を持ってきてそれを訳したり。
中学校の頃は英語が一番苦手だった私だけど
今は一番得意かもしれない。
…でも私が一番好きなのは
先生が英文を読んでいる時。
発音も完璧で、聞き取りやすい。
たまに近くの席に座っている女子が小さな声で「キャー」って言うのも分かる気がする。
普段はおちゃらけている先生でも
カッコよく見える。
私はこの前、『どうして先生ってそんなに英語上手なんですか?』って聞いたら
昔アメリカに留学してたからだって。
もちろん納得。
英語の時間はすぐに進んでいき、
あっという間に終了の時間。
「次は昼休みか…俺購買急ぐから皆勝手に終わっとけ!!」
先生はそう言い残して教室を出ていった。