【完】終わらないラブストーリー
祐樹は急に話し始めた。
きっと泣き止んでほしかったからだと思う。
私は黙って聞いていた。
「俺、昼くらいに早退して藤本の家に行ったんだけど誰もいなくてさ…。お前が帰ってくるかもしれないって思って待つことにしたんだよ」
「…」
「でも藤本の親が帰ってきて、気まずくなるのも嫌だしちょっと駅の方まで行ったらいるかも!って思って来てみたら案の定いたんだよなー。びっくりだよ」
前にも
こんなことあったなぁ。
あの時は中学2年生になってから1か月もたってなかった。
自分の教室に入りたくなくて、
1人で遠出しちゃったんだよね。
皆から、からかわれるのすごく嫌だったし…。
いつも祐樹に迷惑かけちゃって申し訳ないなって思ってたから
たまには1人で逃げてみようって。
そしたら祐樹が今日みたいに学校早退して私を探してくれてた。
…。
私はいつまで祐樹に迷惑かけちゃうんだろう。
彼女でもないのに、
ずっと祐樹に守られてきた私。
ただの幼馴染っていう立場に近いだけなのに。
祐樹は本当に優しくて…。