【完】終わらないラブストーリー
私は偽りの自分が壊れていくことに気がついた。
ぽたぽたと流れる私の涙がその証拠。
「…木下。立て」
私が答えられずにいると
キヨ先生が立ち上がりそう言った。
「え、なんでですか」
「いいから立つんだ」
しぶしぶ木下君は立ち上がる。
そして…。
先生は一瞬で木下君の右頬をグーで殴った。
「きゃっ!!!」
私はびっくりして目をつむる。
「お前、まりあちゃんに何した」
「いってぇ…先生のくせに生徒に手出していいのかよ…」
「質問に答えろクズ」
今まで聞いたことのないような先生の声。
キヨ先生じゃないみたい───。
「何もしてねぇよ!だいたいなんなんだよ!いきなり俺のこと呼び出して殴って、あげくには俺たちの間に入り込もうとしやがって!」
「…」
「どうせお前もあれなんだろ?茉莉亜のことが好きで、俺にとられたくなかったんだろ!?先生のくせに生徒に恋したのかよ!!気持ち悪ぃ!!」
「言いたいことはそれだけか」
先生は冷たい眼差しで木下君を見た。