【完】終わらないラブストーリー
話し終わると、美紀は私を抱きしめてくれた。
お母さんとは違うぬくもりが私を包む。
美紀の香水の香りがふわっと漂ってきた。
「あたしを…守るなんて何言ってんの!?茉莉亜のためだったら一緒に立ち向かったよ!!どうして…一人で抱え込むなんて…」
「美紀っ」
「あたしもあたしだよね。茉莉亜の気持ちも知らずにおめでとうとか無神経なこと…!!!」
「大丈夫だよ美紀…ありがと」
私と美紀はまるで子供みたいにわんわん泣いた。
人の目なんて気にしず、抱き合って泣きまくった。
朝のHRが始まる寸前までその状態が続き、
私と美紀の絆はもっと深まった気がした。
そして昼休み、私は先生に驚くことを聞かされた。
「木下、通信制の学校に転校するらしい」
木下君が通信制の学校に…。
「さっき学年の担任が集まってその話を聞いたんだ。まぁ、あんなことしちゃあ学校にもいれねぇよな」
「茉莉亜!!気にする必要ないからね!あんな奴のこと!!」
「仲村の言うとおりだよ。気にしてたらまだまりあちゃんが被害にあっていたかもしれないしな」
「うん」と答えた私だったけど
やっぱり少し罪悪感が残る。
木下君は私と出会わなければこんなことになってなかったし。
私がはっきりと告白をあの時断っていれば
もしかしたら何か変わっていたかもしれない。