君の血と僕
彼女は帰ってくるなり、

夕飯の準備を始めた。

「吐き気とかはないんだよね?」

「うん。だいぶ元気になったし。

 実夕がそばにいてくれるのが、嬉しいし。」

「あ、まさかそのために倒れたとかやめてね。」

「それはないよ。

 本当に具合悪かった。」

「わかってるって。」

肉を焼くいい匂いがする。

「まだあんまり料理とかできないから、

 ハンバーグね。こねて焼いて終わり。」


「ありがとう。僕が作るよりましだよ、絶対。」

「ましって、なんかひっかかる言い方。」

「ごめんごめん。」

見た目こそあまりよくないが、

味はおいしかった。
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