君の血と僕
君の血と僕
実夕を救急車に乗せた。

実夕の手は冷たい。

「何かあったんですか?」

救助隊員に聞かれる。

「すみません、よくわからないんですが、

 急に倒れてしまって。」

まさか、僕が血を吸ってしまった、

とは言えなかった。

実夕、実夕、

ごめん。

ごめん。

本当にごめん。

彼女の手を一生懸命握るんだけど、

彼女の手は暖かくならなかった。

集中治療室に入れられると、

僕はロビーのソファーに座った。

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