君の血と僕
ああ。

久しぶりの血が。

彼女の血がたまらなかった。

(君とずっといたら、

 僕はいつか君を

 今日助かったとしても、

 いつか

 殺してしまうんじゃないか。)

僕は外に出た。

走った。

血を飲んだためか、

すごく速く走れる。

慌てて止まる。

(実夕の血の無駄遣いだ。)

今日は満月だった。

いっそオオカミ男のほうがよかった。

オオカミ男はつらいことあるのかな?

いや、

ていうか、

普通の人間に産まれたかった。
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