君の血と僕
「虹くん、虹くん。」

「ん?」

気が付くと朝だった。

「おはよう、虹君。」

「おはよう・・・。て、大丈夫実夕?

 本当にごめん。」

「本当だったんだね。」

「うん。ごめん。

 いやだよな。

 こんなんが彼氏じゃ。」

「おいしかった?私の血。」

「うん。たまらなく。

 おいしくてあったかくて。

 ごめん。久しぶりだったから。

 吸いすぎちゃった。」

「ほんとだよ。死ぬとこだったよ。」

「ごめん。」

「でもね、私、少しわくわくしちゃった。」

「え?」

「物語じゃなかったんだって。

 本当だったんだって。」
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