君の血と僕
「豊岡さんの作品が最近好きなんです。」

「私も好きです。いろんなお話がかけてすごいですよね。」

「そうなんですよ。

 よかったら、今度映画化されるやつ、一緒に見に行きませんか?」

舞い上がりすぎた。

高ぶる感情が抑えきれなくて。

つい、デートのお誘いをしてしまった。

でも、チャンスなのだ。

毎日毎日本を読み続けた僕は、

何でも願えば叶うんじゃないか、

という物語の主人公のような気がしていた。

「はい。ぜひ。私名刺があるので。」

そういうと名刺にアドレスを書いてくれた。

「榊 実夕です。宜しくお願いします。」

名刺をポケットに入れる。

「じゃ、また。」

お客が来たため、僕はその場をそそくさとさる。

嬉しくてたまらなかった。

やったーーーー!!
< 5 / 22 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop