君の血と僕
それから、何度もメールのやり取りをした。

そして、約束の映画を見る日がやってきた。

緊張以外の何物でもなかった。

約束の場所に30分も前にやってきてしまった。

家にいても落ち着かないのだ。

約束の時間どおりに彼女は現れた。

僕の理想どおりのかわいらしい恰好に、

また緊張が走る。

「すみません、お待たせしました。」

「いや、ぴったりの時間ですから。」

「はい。私の方が先に来てる予定だったんですけど、

 結局ぎりぎりになっちゃって。」

「なんか、会うの2回目なのに、

 結構メールしてたからか、

 久しぶりな感じがしませんね。」

「そうですね。あの本読んでみました?」

「もちろん。面白かったです。」

「今日も楽しみですね。」

「うん。いこっか。」

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