ヒロインになりたくて
ガラッと教室の扉を開く音がした。


やばい。こんなところ見られたら破ってると思われる。



私は急いで頬を伝う涙を拭って教科書を机の中に入れた。




「なに、やってるの?」




近づいてきたのは結城の隣の席の浅野くん。


隣だから結城の教科書のことだって知ってるに違いない。



彼は私のほうを見て視線を机に移した。
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