青龍と桜Ⅱ
「東條先輩っ!」
職員室に向かう途中、私は真新しい制服に身を包んだ1年生の女の子 たちに呼び止められた。
「?」
足を止めて2人組の後輩たちを見る。
「あの、東條先輩と柊さまは、どういう関係なんですか?」
最近、よく聞かれる質問。
「…クラスメイトだよ」
柊くんと一番よく話す美花が新田先輩の彼女ということは、この学校では特に有名だった。
そして次に同じクラスということで、学校で話しているとこを目撃される私に、こういった質問がくるようになっていた。
私にとっては、わずらわしいだけの質問に、ストレスがたまる。
後輩から解放され、職員室に向かう廊下の窓から、空を見上げる。
どんよりと重そうな雲に覆われた空は、今にも雨が降り出しそうだった。