青龍と桜Ⅱ

少し友情が深まった帰り道、私は誰かに呼ばれたような気がして立ち止まった。


「咲月?」

急に周囲を見回し出した私に、胡桃がどうしたの、と尋ねてきた。

「…………ううん。なんでもない」


知り合いがいそうな気配もなかったので、きっと空耳だったのだろう、と結論付け、気にしないことにした。


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