もう猫になんか生まれない



「臨具合悪いの?大丈夫?」



さっきから同じようなことを呟いている臨が心配になったらしい。


クイが、ぴとりと手を臨の額に当てた。



「大丈夫だけど……あー時間やべぇな。もったいないし、弁当で持ってくわ」



今出て、間に合うか間に合わないか微妙な時間だった。



クイが来てから、臨の昼食は弁当が多い。


クイのお手製だ。


周りからは彼女か、などと冷やかされたりもするが、居候している親戚が家賃代わりに作ってくれる、と言って誤魔化している。



「分かった」



臨が起き上がるのと同時に、クイは食洗機から弁当箱を出して、てきぱきと朝食のメニューを詰め始めた。



「味噌汁は良いからな。鍋戻しといて、夜に食べよう」



釘を指したのは、前に水筒代わりのペットボトルにクイが味噌汁を入れたことがあるからだ。



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