もう猫になんか生まれない








……甘い、蜂蜜のような、琥珀のような瞳だった。







『――りん?』





眠たげに、名を呼ばれた。


(え…?)


真っ白な肌と、少しつり上がった切れ長の目。

整った鼻梁に赤い唇。

加えて軽やかな鈴のような声と、印象的な瞳。


人形のような少年だった。




こんな知り合いはいない。
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