もう猫になんか生まれない
「えっ……」
臨の表情に、今度はクイがすっと不安げな顔になった。
「……行くの、嫌……?」
「いや、嫌っていうか、クイだけで行くんだと思ってたから」
「………っ」
――ナゼ!?
何でそんな目がうるうるしてんですか!?
これはあれか、俺が泣かせたことになるのか!?
パニックに陥ってしまった臨の前で、クイがぽつんと言った。
「また一緒に行こうって言ったのにな」
目の前が、揺れた。