私と先生。近くて遠い距離
駅伝がスタートするちょっと前…





川嶋先生は上下に羽織っていたジャージを脱いで半そで、半ズボンという格好だった。
羽織っていたジャージを置く場所がなかったみたい。




だからぁたしに『おい、佐倉、お前走らんのやろ?
だから、俺のジャージ持っとけ?』


そう言って差し出した。



その、黒色のジャージは、川嶋先生の香りがした…




甘い、甘い香りがした。




《パンッ》




乾いたピストルの音とともに川嶋先生は走り出した。




頑張ってね。








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