友達という勲章

「そういうお前は、雄二と付き合ってるじゃないか」

「そ、それは……」

「あぁ、雄二なんて紹介するんじゃなかったな。あいつの女受けする優しさは、いつだって俺の邪魔をするんだ」

「なになに？　もしかして高校時代に彼女取られたとか？」

からかい半分で言ったあたしの言葉に、なんと彼はうろたえたのだ。

「取られたのは……」

その先を濁して、純一は急に無口になった。

なによ、なによ……、見かけは男らしいくせに優柔不断なところは昔も今も変わらないんじゃない。

確かに雄二は優しくて、女の欲しがる言葉を沢山くれる。付き合って、とか。綺麗だよ、とか。愛してる、とか。

でも、あたしが雄二と一緒にいる理由はそこじゃない。