友達という勲章
いくら待っても振り向いて貰えない不安から、友達の彼女という確かな場所に逃げたのだ。
でもまだ、雄二とはキス止まり。その一歩先へは進めずにいた。
「純一はずるい!」
あたしは、卑怯な自分を棚に上げ、頼んだズブロッカのダブルを一息で飲み干した。
喉が焼けるように熱い。
「お、おい優子!」驚いた純一があたしの手首を掴んだ。
「久々、飲み比べる? 先に潰れた方が負け。そうね、あたしはこの身体を賭けるわ」
貴方にあたしを抱く勇気があるならね、とあたしは酔った勢いで純一に迫ったのに。
「優子は俺の大事な友達だ……」
この期に及んで、まだ腰を引く純一にあたしは涙が出そうになる。
「あたしは……」