裏切りの恋
2章 裏切りの出逢い
「はい、朝会始めるよー」
そう言って、店長が声をかける。
今日も学校のないあたしは、朝からシフトが入っていて、店内の掃除を終えると、みんなのもとへ集まった。
「昨日言った通り、ここにある5点が新作として入りました。それぞれ、周りを気にしながらどの服か着てください」
店長の前に並べられるのは、秋の新作となる服たち。
わー、やっぱ可愛いっ……。
あたしはさっそく自分の頭の中で、どれを着ようか悩みながら、胸をウキウキさせていた。
「それともう一つ。今日から、本社から来るサブマネージャーが変わります。ちょっと今、本社から電話があって、向こうにいるんだけど……」
そう言われると、みんな一斉に控室のほうを見る。
よく耳を傾けると、確かに誰かの話し声が聞こえた。
そして、「はい!それでは……」という声が近くに聞こえたと思うと、中から一人の男の人が現れた。