裏切りの恋
11章 本能の選択
それからの時間は、流れるように過ぎていった。
バイトに出ても、対面で城崎さんに会うことはなかったし
もう目すらも合わせないように心掛けていた。
明とも何も気づかれないように笑顔を向け、自分の中で城崎裕翔というものを消した。
自分は明だけが好きなんだと……。
そして今日、
「夕菜、お疲れ様ー!!」
あたしの最終出社日となった。