裏切りの恋
「ま、俺も出来るだけ、夕菜のために時間作るからさ。
恋人生活も残りわずかだし」
「え?あっ……」
それを言われた瞬間、ドキッとしてしまった。
そうだ…
そういえばあたし、明からプロポーズを受けてて……
「夕菜」
明もハッとしたのか、急に咳払いをしたかと思うと、真剣な口調であたしの名を呼んだ。
「俺が卒業した時にも言ったけど……
俺は夕菜が大学を卒業したら、すぐに結婚したいと思ってる」
明はそっとあたしの手を取った。
「あの時は夕菜も俺の気持ちに応えてくれたけど、
もう一度言わせてほしい」
「……」
「夕菜。
卒業したら、俺と結婚してください」