裏切りの恋
12章 ケジメ
初めてこんなにも
誰かを愛おしいと思った
初めてこんなにも
愛することが狂おしいと思った
頭で考える余裕なんてない
体が勝手に動く
心が引き寄せられる
「ひろっ……と……裕翔っ…」
「…くっ……夕菜っ……」
あたしたちは
本能のままにお互いを求め合った。
足りない
こんなんじゃ足りない……
もっともっと混ざり合うように
もっともっと溶け込むように
心まで一つになることを
初めて知った。