裏切りの恋
 
「裕翔……」


裕翔はぐっとあたしを抱き寄せると、明を睨んだ。


「どういうこと?お前ら」

「しらじらしいな。分かってんだろ?俺らのこと」

「……ふっ。さすがにヒロは鋭いな」


明は鼻で笑った。


「ってか、お前態度でかくない?
 人から彼女奪っておいて」

「それは……本当に悪いと思ってる。
 お前には殴られる覚悟だよ。気が済むまで……。
 だけど……」


裕翔は明を強く睨む。



「夕菜を傷つけることだけは許さない」




あたしの肩を抱く裕翔の腕の力が、強まった瞬間だった。
 
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