裏切りの恋
「買いすぎちゃった……」
夕方になって、今日の分の材料の買い出しに行ったら、ついついいろんなものを買いすぎてしまった。
あたしは買い物袋2つぶら下げて、なんとか家に着く。
その食材を冷蔵庫へしまっているときだった。
ピリリリリ……
ふいに携帯が鳴った。
誰だろう、と思いながら、携帯を手に取る。
だけどディスプレイに示された番号は、見たことのない番号だった。
あたしは少し構えて、その電話に出た。
「……もしもし?」
《杉沢夕菜さんのお電話でしょうか?》
「はい……」
《桐谷明さんをご存知ですか?》
「……はい…」
《今、桐谷さんが…………》
次の言葉を聞いて、あたしは走り出した。