裏切りの恋
「行って来いよ」
「え?」
お風呂から上がり、ベッドへ横になっていると、裕翔が冷蔵庫から缶ビールを渡しながら言った。
「明が心配なのは俺も同じだからな。
でも俺が行くわけにもいかねぇし……。様子見てやって」
「……うん」
あたしは裕翔から缶ビールを受け取って頷いた。
もしかしたら、あたし以上に裕翔は心配しているかもしれない。
そして気が付いているかもしれない。
明が自ら、事故を起こしたかもしれないと……。