裏切りの恋
 
ピンポーン……


久しぶりに訪れた明のマンション。

少し緊張気味で家のチャイムを鳴らすと、少し遅れてドアが開いた。


「はーい……夕菜っ」

「あ、えっと……こんにちは…」

「……あがって」


明はにこりと微笑むと、あたしを部屋へ誘導した。

だけど部屋の中を見て、一瞬たじろいでしまった。


思い出してしまう。

この間、明に襲われそうになったことを……。


「あ…えっと……大丈夫だよ。今日は絶対なんもしねぇから!」


明もそのことを思い出したのか、慌てて否定した。


「ほんと絶対!俺もまだ体のあちこちいてぇし!
 それに……夕菜のこと、泣かせたくないから……」


そう苦笑した明の顔は、あたしの知っている優しい明だった。


「……お邪魔…します……」


あたしは部屋の中へ、入ることにした。
 
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