裏切りの恋
 
携帯の電源を落とした。

もう誰とも連絡を取りたくなくて。


きっともうすぐ裕翔は起きる。
そして隣にいないあたしを探すだろう。


一方的に、別れをつづった手紙を置いてきた。



『裕翔へ

 やっぱりこれ以上付き合うことはできない。
  さようなら。』



誰も納得できない内容。

だけどそれを書くだけで、精いっぱいだった。



これ以上書いたら
手紙の上に涙を落としてしまいそうで

本当は別れたくなんかない、と本音を書いてしまいそうで


あたしは淡白な文章を一言だけつづった。



 
土曜日は、一日寝て過ごした。

こんなふうに、一日何もしないで過ごすのは久しぶりだ。


卒論に手をつける気にもならず
ベッドの上でだらだらと過ごした。


明日になったら

あたしは明の彼女に戻るんだ。
 
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