裏切りの恋
 
「行ってきます」とだけ言って玄関を出ると
あたしは思わず自分の目を疑った。


その先にいたのは……



「ひろ……と……」



一番会いたくて
一番会いたくない彼だった。


「やっと出てきたか」
「どう…して……」


裕翔の姿を見た瞬間、ふるふると体が震えた。


すぐに駆け寄りたいのに
必死に抑える自分。


本能と理性が闘ってる。



「どうしてじゃねぇよ」



裕翔の声は、
冷静のように聞こえるけど
低くとても怒っている声だった。
 
< 212 / 357 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop