裏切りの恋
「今日家から出てこなかったら、家まで押し掛けるところだった」
「それって……もしかして昨日からずっと……?」
「ああ」
急に突きつけられた別れ。
繋がらない携帯。
こうなれば、家に行くしか連絡手段がない。
「どういうことだよ。急にもう付き合えないって」
「……」
裕翔の言葉に、あたしは俯いた。
スイッチを入れないと
涙とともに本音を吐いてしまう。
あたしは裕翔に気づかれないように、深く息を吸い込んだ。
「……分からないの?」
「は?」
「最初から、裕翔のことなんて遊びなんだよ」