裏切りの恋
「涙をこぼさなければ、悲しんでないとでも言いたいのか?
そんな今にも泣きそうな面して、何言ってんだよ!!」
「は…なして……」
「今までのものは、全部遊び心だってことか?」
遊び心…。
本当にそうだったら、どんなに楽だったんだろう…。
ただ刺激を求めてただけの想いだったら……。
あたしは深く目を閉じて
もう一度裕翔を見上げた。
「そうだよ」
今度は揺るがない。
心を殺した冷たい眼差し。
「夕菜」
その時、
裕翔の後ろから別の人の声が聞こえた。