裏切りの恋
明のこのキスが好きだった。
最初は重ねるだけの…
そしてついばむようなキス……。
満たされていたあの頃。
それなら、もう一度明に抱かれれば
あたしはあの時の気持ちを取り戻せるのだろうか……。
「夕菜……」
明に押し倒されて
あたしは抵抗をしなかった。
明の唇が、だんだんと下へ降りてきて
あたしの首筋をなぞる。
ピクッと体が反応した。
大丈夫…
大丈夫……。
あたしは何度も、明に抱かれてきたんだから……。
いつの間にか
そう言い聞かせている自分がいた。