裏切りの恋
「さて、やっぱりメインは……あったあった!」
ぶらぶらと歩いていると、明は一つの建物を見つける。
そしてあたしの手を引いて中へ入った。
そこは……
「あ……」
「懐かしいでしょ」
「……うん…」
それは、あたしと明が始まった場所
(あたしが勝ったら、あたしと付き合ってください)
そう言って、勝負を挑んだバスケットシュートがあるゲームセンターだった。
「やろ」
明は、あたしの返事を聞く前に、二台の機械へコインを投入する。
そして対戦モードを選んでいた。
「勝負しよ。夕菜」
「え?」
「また、勝ったほうが負けたほうの言うことを何でも聞くってことで」
明は、あたしにニッと笑った。